バレエの世界を身近に感じたい。そんなときは、バレエを題材にした映画やドキュメンタリーを観るのがおすすめです。感動的なストーリー、舞台裏の苦労、ダンサーたちの情熱。これらの作品を通じて、バレエの魅力を存分に味わうことができます。まずはバレエのテクニックなどを忘れてエンターテイメントとしてバレエを楽しんでみるのはいかがでしょうか?
- 1. ブラック・スワン (Black Swan) – 2010年
- 2. ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ! (First Position) – 2011年
- 3. リトル・ダンサー (Billy Elliot) – 2000年
- 4. ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣 (Dancer) – 2016年
- 5. センター・ステージ (Center Stage) – 2000年
- 6. 未来を花束にして (Polina, danser sa vie) – 2016年
- 7. バレエ・ボーイズ (Ballet Boys) – 2014年
- 8. 私が踊るとき (La Danse – Le Ballet de l’Opéra de Paris) – 2009年
- 9. マオの恋人 (Mao’s Last Dancer) – 2009年
- 10. レッド・シューズ (The Red Shoes) – 1948年
- まとめ
1. ブラック・スワン (Black Swan) – 2010年
監督: ダーレン・アロノフスキー
主演: ナタリー・ポートマン
概要
ニューヨーク・シティ・バレエ団のダンサー、ニナが「白鳥の湖」の主役に抜擢されます。純真な白鳥を完璧に演じられるニナですが、妖艶な黒鳥を表現することに苦しみます。ライバルの出現、母親との複雑な関係、芸術監督からのプレッシャーの中で、ニナは次第に精神的に追い詰められていきます。
見どころ
ナタリー・ポートマンは、この役のために1年間バレエのトレーニングを受け、アカデミー主演女優賞を獲得しました。完璧を求めるあまり自己を見失っていく様子は、美しくも恐ろしく描かれています。
バレエの世界の競争の激しさ、プレッシャー、そして芸術への献身を、サイコスリラーという形で表現した衝撃的な作品です。実際のバレエダンサーたちも出演しており、踊りのシーンは圧巻です。
ただし、この作品はバレエ界の極端な側面を描いており、実際のバレエの世界がすべてこのようなわけではないことを理解しておく必要があります。
2. ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ! (First Position) – 2011年
監督: ベス・カーグマン
ジャンル: ドキュメンタリー
概要
世界最大級のバレエコンクール「ユース・アメリカ・グランプリ(YAGP)」に挑戦する6人の子どもたちを追ったドキュメンタリーです。アメリカ各地から、そして世界中から集まった才能あふれる若きダンサーたちの、夢と現実、挫折と成長を描いています。
見どころ
11歳のミケーラ・デプリンス(シエラレオネ出身)、コロンビアからやってきたアラン、ニューヨークの若きダンサーたち。それぞれ異なる背景を持つ子どもたちが、バレエへの情熱を胸に懸命に練習する姿は、感動的です。
家族の犠牲、経済的な困難、プレッシャーとの戦い。バレエダンサーを目指す道のりの厳しさとともに、夢を追う美しさが描かれています。実際の映像なので、リアルな感動があります。
子どもたちの純粋な情熱と、それを支える家族の愛情が心に響く作品です。
3. リトル・ダンサー (Billy Elliot) – 2000年
監督: スティーヴン・ダルドリー
主演: ジェイミー・ベル
概要
1984年のイギリス、炭鉱の町。11歳の少年ビリーは、父親にボクシングを習わされていますが、偶然出会ったバレエに魅了されます。「男がバレエなんて」という周囲の偏見と、貧しい家庭環境の中で、ビリーはバレエダンサーになる夢を諦めません。
見どころ
性別による固定観念、階級社会、家族の絆といったテーマを、バレエを通じて描いた感動作です。ビリーの才能を見抜いたバレエ教師ウィルキンソン夫人と、最初は反対していた父親が、最終的にビリーの夢を応援する姿は涙なしには見られません。
主演のジェイミー・ベルは、実際にバレエの訓練を受けており、踊りのシーンは本格的です。特にラストシーンは、何年もの時を経てビリーの夢が実現する姿を描き、大きな感動を呼びます。
バレエへの情熱と、それを支える家族の愛情を描いた、普遍的な名作です。後にミュージカル化され、世界中で大ヒットしました。
4. ダンサー、セルゲイ・ポルーニン 世界一優雅な野獣 (Dancer) – 2016年
監督: スティーヴン・カンター
ジャンル: ドキュメンタリー
概要
「バレエ界のバッド・ボーイ」と呼ばれるセルゲイ・ポルーニンの半生を追ったドキュメンタリーです。ウクライナの貧しい家庭に生まれ、13歳でロイヤル・バレエ・スクールに入学、19歳で英国ロイヤル・バレエの史上最年少プリンシパルとなるも、突然退団。その後の葛藤と再起を描いています。
見どころ
驚異的な才能と、それゆえの苦悩。家族の犠牲の上に成り立つ成功、プレッシャー、バレエへの愛憎。ポルーニンの赤裸々な告白と、圧倒的なダンスシーンが印象的です。
特に、ホージア(Hozier)の「Take Me to Church」に合わせて踊る映像は、YouTubeで2,900万回以上再生され、世界中で話題になりました。この映像も作品に収録されており、彼の表現力の高さに圧倒されます。
天才ダンサーの光と影を描いた、リアルで衝撃的なドキュメンタリーです。
5. センター・ステージ (Center Stage) – 2000年
監督: ニコラス・ハイトナー
主演: アマンダ・シュル、ゾーイ・サルダナ
概要
アメリカン・バレエ・アカデミー(架空)に入学した若いダンサーたちの、友情、恋愛、挫折、成長を描いた青春ドラマです。主人公ジョディは、才能はあるものの完璧な体型ではないことで悩みます。バレエ団への入団を目指して、仲間たちと切磋琢磨する日々が描かれます。
見どころ
本格的なバレエダンサーたちが出演しており、ダンスシーンは見応えがあります。アメリカン・バレエ・シアター(ABT)の実際の舞台や施設でも撮影されています。
ティーン向けの青春映画ですが、バレエの厳しさと美しさ、若きダンサーたちの悩みや夢をリアルに描いています。恋愛要素も含まれており、楽しく気軽に観られる作品です。
バレエを始めたばかりの方や、若い世代におすすめの作品です。
6. 未来を花束にして (Polina, danser sa vie) – 2016年
監督: ヴァレリー・ミュラー、アンジュラン・プレルジョカージュ
主演: アナスタシア・シェフツォワ
概要
ロシアの厳格なバレエ学校で育った少女ポリーナ。ボリショイ・バレエへの入団が決まりますが、偶然出会ったコンテンポラリー・ダンスに衝撃を受けます。クラシックバレエの道を捨て、新しい表現を求めてフランスへ旅立ちますが、そこで待っていたのは厳しい現実でした。
見どころ
クラシックバレエとコンテンポラリー・ダンスの違い、芸術家としてのアイデンティティ探し、夢と現実のギャップ。ダンサーとして生きることの意味を深く問う作品です。
主演のアナスタシア・シェフツォワは実際のバレエダンサーで、クラシックからコンテンポラリーまで、様々なスタイルの踊りを披露します。特に、感情を爆発させるように踊るコンテンポラリーのシーンは圧巻です。
華やかな舞台の裏にある、ダンサーたちの苦悩と情熱を描いた、大人向けの芸術的な作品です。
7. バレエ・ボーイズ (Ballet Boys) – 2014年
監督: ケネス・エルヴェバック
ジャンル: ドキュメンタリー
概要
ノルウェーの3人の若い男性バレエダンサーを5年間追ったドキュメンタリーです。ルーカス、シーヴェルト、トールビョルンの3人は、幼なじみでありライバル。プロダンサーを目指して研鑽を積む日々、友情と競争、そして進路の選択が描かれます。
見どころ
「男がバレエを踊る」ことへの偏見、プレッシャー、そして情熱。リアルな若者たちの成長物語として、感動的です。
3人それぞれが異なる道を選び、異なる挑戦に直面します。成功する者もいれば、挫折する者もいる。その真実の姿が、作りものではない感動を生みます。
男性バレエダンサーの現実を知ることができる、貴重なドキュメンタリーです。
8. 私が踊るとき (La Danse – Le Ballet de l’Opéra de Paris) – 2009年
監督: フレデリック・ワイズマン
ジャンル: ドキュメンタリー
概要
パリ・オペラ座バレエ団の7週間を記録したドキュメンタリーです。レッスン、リハーサル、舞台裏、そして経営会議まで。ナレーションやインタビューを一切排し、ただカメラが映し出す光景だけで、バレエ団の日常を伝えます。
見どころ
世界最高峰のバレエ団の舞台裏を覗ける貴重な作品です。ダンサーたちの厳しいトレーニング、振付家との創造的なやり取り、美しい舞台シーン。芸術を作り上げるプロセスが、静かに、しかし力強く描かれています。
約2時間40分という長尺ですが、バレエの芸術性と、それを支える人々の献身を深く理解できる、本格的なドキュメンタリーです。
バレエを深く知りたい方、芸術ドキュメンタリーが好きな方におすすめです。
9. マオの恋人 (Mao’s Last Dancer) – 2009年
監督: ブルース・ベレスフォード
主演: チー・カオ
概要
実話に基づく物語です。1970年代の中国、貧しい農村の少年リー・ツンシンは、北京のバレエ学校に選ばれます。厳しい訓練を経てダンサーとして成長し、アメリカのヒューストン・バレエに短期留学しますが、そこで自由の味を知り、亡命を決意します。
見どころ
文化大革命下の中国と、自由なアメリカ。二つの世界の対比が鮮やかに描かれています。故郷の家族への思い、芸術への情熱、そして自由への渇望。政治に翻弄されながらも、バレエを通じて自分の人生を切り開いていく姿が感動的です。
実際のバレエダンサー、リー・ツンシン本人の自伝が原作で、彼自身も製作に関わっています。東洋と西洋、政治と芸術を織り交ぜた、壮大なストーリーです。
10. レッド・シューズ (The Red Shoes) – 1948年
監督: マイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガー
主演: モイラ・シアラー
概要
若きバレリーナ、ヴィクトリアは、厳格なバレエ団の芸術監督レルモントフに見出され、「赤い靴」のバレエで主役を演じます。しかし、彼女は作曲家ジュリアンと恋に落ちます。レルモントフは「芸術と恋愛は両立しない」と主張し、ヴィクトリアは芸術と愛の間で引き裂かれていきます。
見どころ
1948年の作品ですが、今なお色あせない美しさを持つ、バレエ映画の古典的名作です。特に「赤い靴」のバレエシーン(約15分)は、映画史に残る傑作として評価されています。
アンデルセンの童話「赤い靴」をモチーフに、芸術への献身と、その代償を描いた悲劇的なストーリーです。美しい映像美と音楽、そして深いテーマ性を持つ、芸術映画の傑作です。
バレエ映画の原点とも言える作品で、多くのダンサーや映画監督に影響を与えました。
まとめ
これらの映画やドキュメンタリーは、バレエの美しさだけでなく、その裏にある努力、苦悩、そして情熱を教えてくれます。華やかな舞台の裏側を覗くこともできますね。
初心者の方は、まず「リトル・ダンサー」や「センター・ステージ」のような物語性の強い作品から始めるのがおすすめです。バレエをより深く知りたい方は、「ファースト・ポジション」や「私が踊るとき」といったドキュメンタリーをご覧になってみてください。
これらの作品を観ることで、バレエの舞台を観るときに新しい視点ができたり、より深い感動が得られたり、バレエの世界も身近に感じられるようになるでしょう。

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